第11回「仮想現実の驚くべき実態!!(後編)」


前半から続く

三日後、我々は富士山麓にあるJ大学の自然科学の権威、宮島教授(仮名)に話をうかがうことになった。

宮島教授「なるほど、超能力についてですか…」
オオタ「超能力というものはどういうものか、人間にどのような影響があるのか知りたいのです。」
宮島教授「ハハハ、超能力なんてものはですね。誰でも持っている能力なんですよ。」
カワタ「エェッ!?それじゃぁ俺にもできるんですか?」
宮島教授「できますよ。お見せしましょうか?」
カワタ「えぇ、是非お願いします!!」
宮島教授「それでは、ここに折り目をつけた紙を立てます。そしたら右手で頬の右側と左側を触って、風を起こさないように静かに紙に向かって手を差し出してください。」
カワタ「ヘヘヘ、どれどれ」

ツツツ…
実際の動画像(460K)

カワタ・オオタ・タカハシ「う、動いた…」
タカハシ「カワタ、絶対に風は起こさないよう静かに動かしたんだな。」
カワタ「あたりまえだろ!!」
オオタ「す、凄い…」
宮島教授「どうです?これで少しは超能力の実在は信じましたか?」
カワタ「信じるも何も、こうして目の当たりにみたらなぁ…」
宮島教授「実際にはそれなりに個人差があるのですけどね。カワタさんあなたの能力はかなり高いですよ。」
カワタ「そうなの?ヘヘヘ」
タカハシ「やはり、全ての人間が潜在的な超能力を身につけているのか…」
宮島教授「どうかしたのですか?」
タカハシ「実は…」

………

宮島教授「なるほど、VR技術によって全ての人間に必要以上の超能力を備えてしまう可能性があるのですね。」
タカハシ「はい、今日うかがったのも、そのことについて意見をお聞きしたいかったからです。」
宮島教授「たしかに、全ての人間は潜在的に超能力を持っていると断言することができます。つまり、全ての人間がVR機器による影響を受けてしまうと考えて良いでしょう。」
宮島教授「しかし、私は…、人類の未来は安泰だと思います。
タカハシ・カワタ・オオタ「!!!」
宮島教授「たしかに、あなたがたの言うように強力な超能力は使おうと思えば軍事にも使える危険な能力です。しかし、強力な破壊の能力は逆に言えば強力な癒しの能力にもなると思うのです。」
オオタ「なるほど…」
宮島教授「例えばある有名な超能力者Aさんは、自分の能力で死んだ母親を蘇生させたこともあるそうです。」
カワタ「けど、いくら癒しに使えると言っても、結局超能力が武器になることには変わりがないんじゃないですか?」
宮島教授「いえ、超能力が武器になるのなら、超能力はまた防具にもなるのです。もし、誰かが超能力による暗殺を企てても、それを別の超能力者の予知能力などで防げば良いだけのことです。最悪の場合でも、現在のスパイや暗殺の道具が拳銃や様々なコンピュータ機具が、超能力という道具に置き換わるだけで、世界情勢が大きく変わるとことはないはずです。」
タカハシ「たしかに…」
宮島教授「それに、超能力をもつ人間はほとんど例外なく純粋な方です。超能力をみにつけることによって、むしろ人間がより純粋に心やさしい存在になれる可能性のほうが私は高いと思います。大丈夫です世界は滅亡しません。安心してください。」

数日後………

カワタ「しかし、今回は救われる調査結果でよかったな。」
オオタ「そうですね。はやく超能力を養成できるVRマシンが出てこないですかね。」
カワタ「そしたら、俺は他の奴がそれを手に入れる前に買ってやるぜ。ヘヘヘ…」
オオタ「あぁ、やっぱりよからぬことをたくらんでるよ。この人は…」
カワタ「そういえばタカハシは?また仕事が忙しいのか?」
オオタ「何か気になることがあるみたいで、調べ物をしてるようですよ。」
カワタ「ご苦労なこって。あいつももう少し気楽に生きなきゃだめだよ。」
オオタ「カワタさんはは気楽すぎなんですよ。」
カワタ「あぁ!?何か言ったか?」

バタン!!

カワタ「タカハシ!!」
オオタ「タカハシさん。どうしたんですか?そんなにあわてて。」
タカハシ「VR機器による第六感の暴走について、恐ろしい事実がわかった。」
カワタ「あぁ?あの件はこないだの宮島教授の話で終わりじゃなかったのか?」
タカハシ「いや、まだ終わってはいなかったんだ。俺達は重大な事実を見過ごしていた。VR機器は恐るべき危険性を秘めていたんだ。」
オオタ「いったい、どんな危険性があるというのですか?」


タカハシ「人類と動物の最終戦争が勃発してしまうんだ!!。」
カワタ「そんな馬鹿なことがあってたまるか!!」
タカハシ「いや、あれから気になっていろいろ調べてみた。VR機器は五感を仮想空間に再現する道具だった。つまり、VR機器による第六感の暴走は五感をもつ全ての生物におこる可能性があったんだ。」
オオタ「なるほど…」
タカハシ「第六感と言われる能力は地震を予知するなまずなどのように動物の方が大きい。それに人類の進化の歴史を考えてみろ、もし人間の進化の次の形態が超能力を身につけることだとすると、進化の流れとして得る能力として、超能力はあまりにも唐突で突拍子もない能力だとは思わないか?」
カワタ「たしかに…」
タカハシ「つまり、第六感というのは全ての生物に備わっている能力だが、なんらかの理由で普段は眠っていると考えたほうが自然だ。」
カワタ「けど、人間同士なら最終戦争はおこらないって教授も言ってたじゃないか。なら動物だって大丈夫じゃねぇのか?」
タカハシ「たしかに、同じ人間同士なら法や倫理で最終戦争は食いとめることができるかもしれない。しかし、第六感の暴走を起こした動物達は人間とは別の倫理で生きている。彼らの論理から言えばむしろ人間は自分達の環境を脅かす悪の存在だ。一向に改善しない環境汚染や戦争などの現状をみればしかたがない。」
オオタ「ですが、動物が人間に対して戦争を起こそうなどと思うほどの知力があるとは思えませんが。」
タカハシ「いや、残念ながら知能の高い動物は存在する。例えば、手話を憶えて人間との会話が可能になったゴリラなんていうのもいる。そのような知能の高い動物たちがESPという言葉に代わる能力を身につければ危険性は一気に増大する。そうでなくともESPを身につけた動物達が人間の考えを読みとって、様々な知識と知性をみにつけてしまうことは十分考えられることなんだ。」
カワタ「だったら、最初から動物にVR機器をつけさせなければいいんじゃないのか?それにそもそもそんなに第六感を暴走させた動物が出てくるのか?」
タカハシ「たしかに動物にVR機器を付けさせなければ、俺達が想定しているような自体はおこらないはずだ。しかし、VR機器の真の能力が学会などで発表されてみろ。おそらくは世界中の科学者が『では、動物の場合はどうなのか?』という実験をはじめてしまうだろう。仮に実験室レベルでそのことを防げたとしても、民間レベルでVR機器が販売されたとき、これを動物につける人間が出てきてしまう。」
タカハシ「そうなれば、二つ目の質問の答えにもなるが、一匹でも凶悪な知性を持つ動物が出てきてしまえば、その動物が超能力を使って次々と仲間を増やし、まさしくねずみ算式に第六感を暴走させた動物が産まれてきてしまうんだ。」
カワタ「くそ、もし戦争が起こった場合俺達に勝ち目はあるのか?」
タカハシ「いや、まったくないだろう。ねずみが俺達の住処に侵入するのは簡単だ。つまり俺達の暗殺などいつでも可能になってしまうんだ。仮に戦争に勝ったとしても、その時には動物の生態系はぼろぼろだ。我々は勝利の代償として食料も失い、そのまま餓死することになるだろう。」
オオタ「では、我々人類が救われる道はもうないんですか?」
タカハシ「いや、一つだけ方法ある。」
カワタ「その方法は!?」
タカハシ「我々が環境破壊を今すぐやめ、自然を保護し共存する道を選べば、彼らだってそうおいそれと我々を恨んだりはしないはずだ。そうすれば、あるいは人類と動物の最終戦争は食いとめることができるかもしれない…」

     2000年を目前に控えた千年紀最後の年。
     この1000年の時代、我々は自分のことばかりを考え搾取し発展してきた。
     新たなる千年紀、そして二十一世紀も生きる我々は、
     次の世代のためにどう行動し、どのような時代を伝えるべきなのか?
     我々は常にこの言葉を心にとどめておかなくてはならない。
     始め良ければ、終わり良し。


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モノーキ
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