モノーキ
第13回「The Final Research COUNT.3『発見』」


タカハシ「さて、ついに我々は世紀末最後の年、西暦2000年を迎えた。我々の調査もこれが最後になるかもしれない。二人ともよく今までついてきてくれた。礼を言わせてもらう。」
カワタ「何言ってんだよ。そういうことは世紀末を無事に乗り切ってからにしてくれや。」
タカハシ「フ、たしかにそうだな」

オオタ「でも、今までいろんな調査をやってきましたよね…」

タカハシ「そうだな…。」

タカハシ「今回お前達に集まってもらったのは他でもない。これまでの多くの調査をもう一度振りかえって再検証してみようと思うんだ。」
オオタ「僕はやはり、ノストラダムスの予言(第1回第7回)に関することが一番おそろしく感じました。特に多くの事実を知らない人が1999年を過ぎてしまったことで、油断しているこの時期が一番危険だと思うんです。」
タカハシ「たしかに…、ノストラダムスや黙示録などの信頼できる予言書については、これからも深く追求していかねばならないな。」
カワタ「俺は、現代科学の暴走(第9回第10回第11回)が一番あぶねぇと思うぜ。特に日本の核保有計画(第9回)は常に最新の注意を払う必要があると思うぜ。」
タカハシ「最新の科学技術は、技術者の倫理のたががはずれないように、常に我々は監視しつづけなければないな。」
オオタ「古代死の商人達(第3回第4回第12回)の正体はつかめたんですか?」
タカハシ「いや、俺も様々な仮説を立ててやつらの正体を探ってはいるのだが、いまのところは…、手がかりすらつかめていない。」
カワタ「そういえば、2000年問題(第2回第8回)はどうだったんだ?」
オオタ「最大の問題日2000年1月1日は無事に過ごせたから、おそらく2月29日が少し不安ですが、無事乗り切れたといってもいいのではないでしょうか?」
カワタ「2000年問題は小人さん達の陰謀であるということまでは突き止めたけどよ、俺達には結局何もできなか
ったもんなぁ。」
タカハシ「ふ、仕方ないさ。しかし、例え俺達だけでも2000年問題解決にあたったプログラマ達には感謝しなければ
な。本人達は小人さん達との大きな戦争をしていたことに気がついていなくとも…な。」
オオタ「もし、なんの対策もしていなければ、日本は特に壊滅的な打撃を受けていました(第2回)からね。」
カワタ「それにしても、拍子抜けた正月だったよなぁ。」
オオタ「正月といえばタカハシさん。年賀状(番外編1)ありがとうございます。あれ感動しました。」
タカハシ「すまないな、あんな年賀状を出してしまって。」
カワタ「いや、俺はお前の考えていることは良くわかったぜ。」
タカハシ「そういってもらえると助かる。」
オオタ「年賀状で思い出したんですけど、以前調査した宝くじの件(第12回)がありますよね。あれは年賀状のくじでは大丈夫なんでしょうか?」
タカハシ「あぁ、年賀状のクジ関しては問題ないはずだ。あれは当選することを期待して買うものではないからな。」
カワタ「しかし、実は俺は年賀状はタカハシとオオタの二人からしかこなかったんだよぉ。」
オオタ「カワタさん…。友達少ないです。」
タカハシ「まてよ…、友達…?」
カワタ「うるせぇ。放っといてくれ。」
タカハシ「そういえば、そもそも何故年賀状などという風習ができたんだ?」
オオタ「やけにならないでくださいよぉ。来年も送りますからぁ。」
タカハシ「これだけ、多くの葉書が一度に流通する…、一度に多く!?」
カワタ「それが余計だってんだよ!!」

ガタッ!!

タカハシ「そうか…、そうだったのか」
オオタ「タカハシさん、何かわかったんですか!?」
タカハシ「俺は今まで重要な事実を見逃していた。年賀状には恐ろしい陰謀が隠されていたんだ。」
カワタ「なんだって!!」

タカハシ「年賀状を利用して超巨大な人間関係データベースを構築していたんだ。」
カワタ「人間関係データベースだと!?」
タカハシ「現在、個人情報が非常に価値のある商品として、市場に出回っているのは周知のとおりだ。そのなかで最も入手が困難でかつ価値が高いと言われているものは人と人のネットワーク、つまり人間関係なんだ。」
オオタ「しかし、その情報は何に利用されるのですか?」
タカハシ「例えば家畜用の動物を思い出してみろ。彼らは人間の食料を提供するためだけに、24時間監視され、すべての情報が握られているんだ。それと同じように多くの人間の情報を集めることによって、その人間の自由を奪うこともできる。」
カワタ「全ての情報が握られるならともかく、たかが人間関係がもれたくらいならそれ程問題はないんじゃないか?」
タカハシ「いや、人間がもっとも恐れるのは孤独だ。つまり、ある人間を落としいれたい場合はその人間を孤独にしてしまえばいいんだ。孤独で寂しくなった人間を操るのは簡単なことだ。人間関係を破壊してしまえばいい…。」
オオタ「そのために人間関係データベースを使うわけですね。」
タカハシ「あぁ、そして郵便事業は政府の管轄だ。郵便以外の政府の情報を組み合わされば情報の価値は十倍にも百倍にも膨れ上がる…。この情報を利用すれば様々なことが可能になる。平和にも戦争にもな…。」
タカハシ「そして、方法まではわからないが、この人間関係データベースは昔から使われていたふしがある…。」
カワタ「なんだって!!」
タカハシ「例えば、郵便葉書の開始が明治6年、もちろん明治維新で日本が大きく動いていた時期だ。そして年内の一定期間に出せば元旦に届けてくれる「年賀特別取扱」が開始されたのが明治32年、日清戦争が終結し、日本がより国力をつけたかった時期に一致する。年賀切手が発行されたのが昭和10年、これは第二次世界大戦へむけての布石とみて間違いないだろう。そして、お年玉付年賀葉書を初めて発行したのが、昭和24年。第二次世界大戦で敗北し、マッカーサー体制で日本の混乱を収束させるために新たなる統制が求められていた時期だ。」
カワタ「日本が大きく動くときに必ず年賀葉書の力を利用していたのか…」
オオタ「タ、タカハシさん、今年も年賀状に大きな動きがありましたよ。
カワタ「なに!?」
オオタ「2000年記念スタンプですよ!!」
カワタ「すると、もうすぐにでも人間関係データベースを利用した計画が始まろうとしているのか!?」
タカハシ「残念だが、そう考えざるをえまい。我々に残された時間はあとわずかだ…。」
オオタ「いったい何が行われようとしているのでしょうか?」
タカハシ「わからない…。しかし、何か嫌な予感がするんだ。何か…。」
オオタ「タカハシさん。この件に関しては早急に調査を行いましょう!!」
カワタ「だな。結果が善悪どちらの方向に動くとしても、このまま何も知らずに踊らされるのは俺達の本意じゃないしな。」
タカハシ「よし、徹底調査開始だ!!」

COUNT2.『究明』


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