モノーキ

勉強の必要性



うわぁぁ、「ここがへんだよ日本人」を見てしまった。

ミュージシャンになりたいから、数学はやらなくてもいいだと?

その程度の脳味噌と好奇心じゃ絶対無理。

勉強する理由づけの一つに過ぎないが、
ものを知りたいという欲求はてめーらにはないのか?
音楽が好きだから音楽以外は見向きもしない。
ゲームが好きだからそれ以外は見向きもしない。(こう言う奴一杯いるしな)
貴様らが言っていることはそういうことだぞ?

さて、これからが重要。
さらに具体的に学問と勉強の必要性について述べましょう。

一つの物事のトップになるにはどうしたらいいでしょう?
その物事だけをやればいい?
専門馬鹿が良いということですか?
専門学校通えばそれでOKですか?

一ついいことを教えてあげましょう。
「方法論は時間と共に変化していく。」
では、その方法論はどうやって変化していくでしょうか?
わかりやすくいうと、旧来の方法論に問題点があって、それを改善して新しい方法論を提示する。
その改善はどうやって行うでしょうか?

と、抽象的なことを言ってもわからないと思うので、具体的に言いましょう。

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2003/5/23
ここの消防に関する具体例に関して、「誤りがあるのではないか?」という意見をいただいたのですが、
結局、正確な結論を導き出せるデータを探し出せなかったため、
この具体例はそのままとし、正誤に関する論議は文末に転載しています。
例文の例は誤りであるかもしれませんが、言いたいことの意図は伝わるであろうということで、
原文のまま掲載しています。
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火事になりました。
あなたが昔の消防士だとします。どうしますか?
水をかけますね?
では、さらに火を消す効率を改善したいと思います。
お湯をかけるといいのです。
何故だかわかりますか?
理科でやっていると思います。憶えてますか?
「液体は気化するときに大量の熱を奪う」
という法則があるから、お湯をかけてすぐに気化させれば、それだけ熱を高速に奪って消火が早くなるのです。
つまり新しい物事を考えるには、それだけ新しい知識が必要なんです。

少なくとも、新しいことを考えつくには専門の知識だけではだめということがわかりましたか?
これが、専門馬鹿はだめだという理由なのです。

「でも、大部分の人達は新しい方法論なんて考えない」
という意見もあるかと思います。
では、さきほどの例の場合あなたは「お湯を使え」と言われたから使ってたとします。
しかし、大火事。いっこうに火は消えません。
そこでお湯のほうが消えやすいことは命令でしかしらないあなたが、中途半端に正義漢ぶって「お湯はだめだ。水を持って来い。」
と言って水で消火をしてさらに消火が遅れます。そのせいで助かる人も助からないかもしれません。

「そんなことしないよ。」
あなたは物の原理を知らないで、物を扱うつもりですか?
原理を知る。
原理を知れば新しいことと言わなくても応用が利くようになってきます。
また先ほどの例だと、
火事のあった場所が温泉街だったとします。
住民が協力してバケツリレーで消火に協力してくれたとします。
そのときなぜお湯のほうがいいのかわかっていれば、住民に
「温泉のお湯で消火してくれ。それもできるだけ熱いもので」
と的確に指示ができますね?
できない人間よりできる人間の方が優秀ですね?
原理を知る。知恵があれば無限の応用が利くんです。それも知識が深ければ深いほど。
そして、大抵の原理は学校で習うことに行きつきます。

「いいんだよ。俺はアルバイトで。」
あなたの人生はそれでいいかもしれませんが、それはあなたにとって必要ないだけで他の人には必要ですよね?
少なくともあなたは言われたことをこなすだけのバイト君でいいならば、中学卒業までは我慢してください。
これは私にはどうしようもないです。
そうすれば自由です。
思う存分バイト君でいてください。

「でも、それだと働き口がない」
そりゃそうです。
馬鹿でもちょんでも、高卒大卒は沢山いるんです。
あなたが雇う側になったと考えてください。
同じ給料で「物の原理を考えて行動できる可能性が高い人間」と「物の原理を考えて行動できる可能性が低い人間」を雇うとしたらどちらがいいと思いますか?
それで採用されないとなげくならば筋違いというものです。
あなたが社長になったらどうですか?

「でも、大学高校行っていても勉強している奴は少ない」
たしかに馬鹿は沢山います。でもそれはそいつらの問題です。
勉強が必要か否かということはまったく関係ありませんね?
今回の問題とはまた別の問題です。

「全部憶えられるわけがない」
憶える必要はないんです。理解しておけばいいんです。
数学や理科の公式を覚えたってだめなんです。
なんでそういう式が導き出されるのかを理解するのが重要なんです。
それが原理を知るということなんです。
そして何より重要なのが、学校の勉強が全てではない。
得意科目があって、苦手科目がある。それでいいんです。
勉強が苦手だったら何か好きなことが得意ならいい。
好きなことの知識だって結局はいろいろ応用が利く。
だがしかし、好きなことだけしかやらない、それ以外はいらないという視野の狭さ、ただの専門馬鹿になるのが問題なんです。(世界に二人といない超専門馬鹿ならともかく)

持論ですが最後にこの言葉を。
「知恵は知識がないと役には立たない。
  知識は知恵をより豊かにしてくれる。
  でも頑張りすぎると疲れる。」

補足:
ちょっと気になって調べてみたら、実際にお湯を使って消火するシステムというのは見つかりませんでした。
(あるかもしれません)
ただし、水を細分化して気化を早めて同様の原理で消火するというシステムは存在するようです。
結論
偉い人とか本を信用しすぎてはいけない。
信用しないならば自分で調べる。


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2003/5/23
この文章における、消防を例にした文章のところを、
「誤りがあるのではないか?」という意見をいただいたのですが、
結局、正確な結論を導き出せるデータを探し出せなかったため、
この具体例はそのままとしています。
結論を載せるよりも、その際の議論を掲載するほうが有益であろうということで、
指摘を頂いた「おみょ」さんの許可をいただいて、私「Kanju」とのメールでのやりとりを公開いたします。
また、一部個人情報や、明らかにこの話とずれている話題などについては、私「Kanju」が変更していることをあらかじめお伝えしておきます。
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おみょさんからの最初のメール

最近こちらのHPに辿り着き、コラムなど楽しませて頂いてます。
ただ一つ疑問点があるのですが、『勉強の必要性』のコラムにおいて、
消火法について書いてある部分がありますが、
お湯を使うメリットはないと思うのですが、いかがでしょうか。
水を消火に用いる際、熱を奪うことは確かですが、
気化する前に、常温から沸点へ引き上げる分の熱量を奪い、
その後の気化熱でさらに熱を奪います。
はじめからお湯であった場合、
初期温度から沸点まで引き上げるための熱量消費が下がり、
水の使用量も上がって、消火に低効率化を及ぼすものと考えられます。
噴霧上にして消火に用いるのは、質量に対する表面積を大きくし、
熱伝達の効率を良くするためではないかと思いますが。

余計なことであるとは思いましたが、
私も教育を、特に理科教育を志す者の端くれですので、
おちゃらけたテーマならばいざ知らず、
真面目な内容で誤った情報が公に広まることは絶えがたいことです。
失礼とは存じますが、以上の内容に対して何らかの処置を施されるよう、
お願い致します。

不躾なメール、ご容赦頂けたら幸いです。



Kanjuの返答

おみょ様。はじめまして、モノーキの管理人のKanjuです。
このたびは、文章に対するご指摘ありがとうございました。

まずはじめに、熱湯を使用した消火方法がないか改めて調べました。
しかし、そのような方法を用いている消火方法が発見できなかったため、
存在しなかったようです。
この点につきましては後日、わかるように修正します。
ちなみにこの情報の大元のソースは、昔読んだ本に書いてあったもので、
さすがに情報をあらためて探すことは出来ませんでした。

しかし、念のため気化熱や熱量について調べてみたところ、
(無学なので、かなり初歩からです)
「水1gの温度を1℃上げるのに必要な熱量を1カロリー」
なので、常温の1gの水(仮に20度とします)
が沸点に達するまでの熱量は80calとなります。

そして水が気化する際にどれくらいの熱量を奪うかというと、
「1gあたり539cal」
とありました。

とすると、仮に沸点ギリギリの熱湯を使ったと仮定しても、
水を使って得する熱量は80calでしかありません。
これでは気化熱の1/6の熱量です。

一定量の水を使って、消火するという場合は別になるかもしれませんが、
急を要する消防活動に限って言えば、
可能であれば、水を気化させることを優先させた方が、
はるかに効率が高いことがわかります。
また、消防について調べたところ、水を気化させて、
無酸素状態を作り出すことも、
消火活動ではかなり重要ということがわかりました。
そうなると、ますます気化を速めた方が消防に効率的ということになります。

ただ、おそらくこのようなことを実践していないのは、
常温の水は簡単に得やすく、急を要する消防活動では、
水に熱量をあらかじめ与えて、
温度を上げておく暇が存在しないからだと思います。

また、当然おみょさんのいわれるような
> 噴霧上にして消火に用いるのは、質量に対する表面積を大きくし、
> 熱伝達の効率を良くするためではないかと思いますが。
ということはありえます。

という結論に達したのですが、いかがでしょうか?

この「勉強の必要性」というコラムは、
問いかけはするが、誰も答えない(答えられない?)テーマとして、
個人的に非常に重要と思っています。
そのため、誤った情報があったの場合(今回のようなときです)、
書き改めたいと思っています。

もし、このコラムの趣旨
(例えに誤りがあったにせよ、理解はいただけたと思っています)
に賛同いただける場合で、なおかつ代わりとなる良い例え、
「一見不可解に見えるが、原理を知っていれば良いもの」
に心当たりがありましたら、ぜひご教授ください。

教育を志す方に読んで頂いて、本当に光栄に思っています。
メールありがとうございました。
また、ご意見などありましたら、ぜひメールを送ってください。



おみょさんの返答

ご返答頂き、ありがとうございます。

なるほど、水蒸気による無酸素状態は確かにあります。
消防手法に関しては専門ではないので、勉強になりました。

ただ、熱量について考えますと、
100度の熱水を気化させるには40.7kJ/mol(=539cal/g)ですが、
例えば25度の水を使えば、それを気化させるので、
温度上昇に使った熱+気化熱になります。
この際消費される熱量は44.0kJ/mol(=682cal/g)ですので、
奪われる熱量は、水を使ったときのほうが大きくなります。
さらにもう一つ追加すれば、水は水蒸気になった後も温度が上昇します。
即ち、水蒸気の温度が炎と同じ温度(厳密には周りのものの引火点)になれば、周り
のものが燃え出します。
水蒸気が大量にある場合、無酸素状態も望めますが、
水蒸気の温度上昇を考慮に入れれば、むやみやたらに水蒸気を発生させることはない
ように思います。
とくに無酸素状態を作る場合、よく使われるのは粉末消化剤、砂、二酸化炭素だと聞
きます。
粉末消化剤、砂は燃えているものの表面を遮蔽し、二酸化炭素は空気中の酸素濃度を
低下させ、それぞれ消火します。

ただ、この消火方法に関する内容は、理科教育に関して言えば、その必要性を説くの
に非常に便利なないようです。
「一見不可解に見えるが、原理を知っていれば良いもの」になるかは分かりません
が、
こんなケースはどうでしょう。
ある家で天ぷらを作ろうと、油に火をかけていました。
するとそこに友人からの電話が。
奥様は大変なおしゃべり好きで、瞬く間に時間が流れました。
ようやく受話器を置き、キッチンへ戻ろうとすると、なにやら焼ける臭い。
やった、今日の夜は家の丸焼きだ♪
なんて思える方は、将来大物になるか、放火魔になるかのどちらかでしょう。
奥さんは慌てて火を消そうと試みます。
さて、どうすればいいでしょう?

1.バケツで水をかける。
2.マヨネーズのボトルを投げ入れる。
3.布をかぶせる。

これは良くあるケースなのですが、ここで1を選択する人がかなり多いのです。
実際、これで延焼したお宅も多いようですが、
これは、比重を理解していれば決して選べない解答です。
比重は 水>油 であり、
なおかつ一般家庭で使われる油は疎水性(水に溶けない)ので、
当然、入れられた水にそこから押し上げられる形で油が浮きます。
火のついた油がフライパンから溢れ出たらどうなるか、
小学生でも分かる問題です。
2の解答は、よく豆知識で扱われるのですが、
これは半分正解、半分間違いといったところです。
確かにマヨネーズを投げ込めば、熱でボトルが破れ、
マヨネーズで油が冷却され、消火することもあります。
ただ、それは十分な量があってのことであり、
実はある家庭で、使いかけで半分くらいのマヨネーズを投げ入れ、
延焼したという事例があります。
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Kanju補足
実際にまともに消すには業務用マヨネーズくらいの大きさが必要と言っているのをテレビで見ました。
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結局、水だろうがマヨネーズだろうが、冷却し切れなかったら同じ、ということで
す。
それを、原理を知らずにマヨネーズを入れればいいと聞いただけで実行し、上のよう
な結果を導いたわけです。
3に関しては、布が燃えます。
幼稚園生でも分かる問題です。
ただし、布を水で濡らせば結果は別です。
水の沸点は100度、布の引火点は数百度であり、
熱は温度の低い方へ行くという熱力学第二法則を当てはめれば、
濡れた布は乾かない限り、燃える事はありません。
さらに、濡れた布は空気を遮蔽します。
あまり良くない例えですが、昔貧しかった頃、
口減らしの為に、赤子の顔に濡れた布を乗せたということです。
それによって空気が遮断され、泣き声が聞こえなくなるころには窒息死していたと
か。
これをフライパンにかけてやれば、空気、即ち酸素を遮断し、
酸欠により火は消えます。
その間にガステーブルの火を消しておけば、
そこで火災は食い止められるでしょう。
よって答えは 4.濡れた布をかける。 です。

では、濡れた布を用意できなかったら?
今回、用いた原理は『燃えないもので酸素を遮蔽し消火する』ですから、
その条件を満たすもの、例えば鍋のふたでも構わないわけです。
もしその原理を知らなければ……奥さんは慌てて布を買いに走るのでしょうかねぇ?
その間に旦那さんとの愛の住処は黒焦げだと思いますが。

私も、このコラムの趣旨には賛成しております。
ただ、私は原理とか知識というものを『道具』として位置付けております。
例えば『俺、のこぎりが使えるぜ〜』などと言ったって、
何の自慢にもなりゃしませんが、
一個、立派な本棚でも作ってみれば、それで食っていけるでしょう。
知識は道具。あるだけでは何もならない。
使う、すなわち応用することで多いに成果を出すものです。
今、私達の周りのもののほとんど全てがその成果といっても過言ではありません。
だからといって、使い方さえ知っていればいいというものではありません。
のこぎりの扱い方を知っていても、のこぎりがなければ切ることは出来ません。
原理や知識も、なければ使うことは出来ないんです。
もし原理を知らずに使おうとすれば、先のマヨネーズのようなことになるでしょう。
その原理、知識を知るための勉強であり、これが不必要であるわけがありません。
そしてその『道具』の使い方は多種多様で、例えば理科の内容を音楽に使う事だって
可能です。
『専門』というのは視野が比較的狭い分深いと言うことですが、
仮に音楽ばかりやっていたとしても、
視野は狭くはなりますが、深くはなりゃしません。
知識を十分に使える人間のことを秀才と、
十二分に使える人間のことを天才と言うのではないかと、
私は考えています。

長々としたメール、申し訳ございません。
ただ、学校の教育者やそれを目指すものすら、
『学校は集団生活を学ばせるところであって、
勉強を教える必要はない。
勉強は塾に任せればいい』
などという戯言をのたまう昨今、
こうして学力、学習に対して真面目に考える方がいるということは、
正直、有難いことです。



Kanjuの返答(時間かなり経過。すみません>おみょさん)

大分前に、文章をご指摘をいただいたKanjuです。
返答と、改変が遅くなり申し訳ございませんでした。

いろいろ考えたのですが、
あの文章をよりよくするのはとても難しいと判断したので、
おみょ様に差し支えなければ、
あの文章にこのメールのやりとりを付随するという形ではどうでしょうか?
この議論そのものが、公開しても有意義なものであると思いますし。

また、ずっとすれ違っていた水蒸気の件ですが、
おみょ様の前提としていたものは
「消火中の水の多くが熱せられて気化する」というもので、
私の前提としていたものは
「消火中の水の多くが熱せられて気化する前に、水のまま流れ落ちてしまう」
>「だから気化させるために温度は高いほうが良い」
というところから発せられたと思うのですが。
この点はどちらが正しいか(あるいは中間か)は、
専門家でないとわからないので、
こういう前提であったのですれ違いが起こったと理解していただけると、
一応すっきりした形で終われると思うのですが、いかがでしょうか?



おみょさんの返答

なんとも光栄なお話です。
こうして議論することはあらゆる分野で必要かつ重要であるにも関わらず、
それを示している場所があまりにも少ないように思えます。
よくこれを言う教育現場でさえ、一つの答えのある議論を吹っかけるものです。
実際に議論される場合は、答えが幾通りもある場合であり、
その中でどれがもっとも理に適っているかを決めることが重要であって、
一つの答えを探すことが重要なわけではありません。
事実、今回の議論でも『なるほど、そういう考え方もできる』と感心したりすることが
何度もありました。
これまで幾度か意見を述べさせていただきましたが、
実際にいろいろと得られたのは私なのかもしれません。
議論によってあれこれ考えることは、
ただ答えを聞くことより理解も早く、
今回のやりとりを提示して、
『では、あなたはどう思うか』と閲覧者に問うのも面白いかもしれません。
私などとのやりとりでよければ、使っていただいて結構です。

なお、蛇足ではありますが、
 「消火中の水の多くが熱せられて気化する前に、水のまま流れ落ちてしまう」
について、
火を消す際には、火ではなく発火元の熱を奪うことが重要となりますので、
水のまま流れていけば、水の大きな表面張力も手伝い、
発火元に付着して『温度上昇に使った熱+気化熱』を奪っていきます。
水蒸気になりやすければその分早く気化熱(上昇熱に対して非常に大きい)を奪い、
早く消化するという論には何も異論はありませんので、
もしかしたら、その辺りにすれ違いの原因があるのかもしれません。

これからも期待しておりますので、HPの運営、がんばってください。



 




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