モノーキ
第12回「宝くじの数字の裏に隠された陰謀!!」


カワタ「一枚、二枚…」
オオタ「カワタさん、何をやっているんですか?」
カワタ「そりゃぁ、年末だろ。年末と言えば、庶民の夢!!年末ジャンボ宝くじの枚数を数えているに決まっているじゃないか。」
オオタ「カ、カワタさん…、その分厚い紙の束はもしかして…」
カワタ「そうだ。全部宝くじだ。ボーナス全てつぎ込んだからな。三億円が当たると思えば安いもんだ!!!」
タカハシ「ふ、何やら騒がしいな。」
オオタ「タカハシさん。なんとか言ってくださいよ。カワタさんこんなに宝くじ買っちゃって。」
タカハシ「カワタ。お前は今、サイコロを六個同時に振って全て一を出す自信があるか?出たら、今日の夕飯は俺の奢りでふぐでもなんでも好きなところへ連れて行ってやろう。」
カワタ「そんなの無理に決まっているだろう。」
タカハシ「しかしカワタ。お前はそれを遥かに上回る無茶をやろうとしているんだぞ。宝くじで一等が当たる確率は約200万分の1という事実を知っているか?」
カワタ「そ、それは…」
タカハシ「そして、サイコロが六個同時に振って1が出る確率は約五万分の1だ。」
カワタ「う…、け、けど買わなきゃ絶対当たらないぜ。」
タカハシ「あぁ、たしかにそうだ。だが、買ったところで当たる確率は1/200万だ。それにカワタ、宝くじで得た金をどれだけ賞金に割り当てているのかお前は知っているのか?俺のうろ覚えの記憶だが、50%に満たない数字だ。しかも、その金額の大半が誰も引取りに来ない300円の末当だ。宝くじで国に入る収入は膨大なものになるだろうな…。他のギャンブルの配当はもっと高い。宝くじは事実上無駄に税金を払っているようなものさ。」
カワタ「う、うわーん、俺の夢だ。好きにさせろぉ!!」
オオタ「あーぁ、カワタさんいじけちゃいましたよ。まぁ、たまにはあれくらい灸をすえてやるくらいがちょうどいいんですけど。」
タカハシ「しかし、夢を買えると考えれば安いものか。いや、安すぎるくらいかもしれないな…」
オオタ「まぁ、僕も実は3000円買っちゃったんですけど。」
タカハシ「ま、まてよ…」
オオタ「何か、わかったんですか?」
タカハシ「いや、あくまでも仮説だが、この宝くじには国家レベルの大きな陰謀が渦巻いている可能性がある。」
オオタ「さっきタカハシさんの言っていた、庶民の夢を狙った国家レベルの資金集めということですか?」
タカハシ「いや、ギャンブルはどの国でも国家財政を大きく担う財源の一つだ。モナコなどは国家財政のほとんどをギャンブルで担っているといってもよい。」
オオタ「ではそれ以外にどのような陰謀が?」
タカハシ「いいか、宝くじで庶民の夢は買える。しかし、その夢が3000円というのはあまりに安すぎないか?そこに俺は金の力という表向きの陰謀に隠された、宝くじに秘められた真の企みがあるんだ。」
オオタ「一体どんな陰謀ですか!?」


タカハシ「宝くじを利用して、人間の夢の相場を決定していたんだ!!」
オオタ「人間の夢の相場??」
タカハシ「いいか、本来人間の夢は例えささやかでも金には代えられない尊い、貴重なものだ。それが宝くじの出現によって、『三億円が手元に来る夢』の価値は3000円という不当に安いものになってしまったんだ。」
オオタ「それはそんなに安い相場なんですか?」
タカハシ「三億といえば、普通のサラリーマンが一生かかって稼ぐ金といわれている。つまり、『三億円が手元に来る夢』は、例え断片とは言え、人間の一生を売りに出すことに等しい。俺達の人生をたった3000円で取引されるなんて、悔しいと思わないか?」
オオタ「なるほど…、しかし夢の相場が決められても。我々の日常生活には問題ないのではないですか?」
タカハシ「たしかに、目に見える分では現れにくいかもしれない。しかし、夢の価値が不当に安く見積もられていることを、我々庶民が暗に認めているという現状が続くとどうなる?」
オオタ「自分の価値も安く見積もるということですか?」
タカハシ「そう、我々は何時の間にか自分を蔑み、自分の夢は所詮こんなもの、ひいては自分自身の価値はこんなものと無意識のうちに決めこみ、最終的には国の上層部の思い通りに動く生きた奴隷になってしまう!!」
オオタ「ですが、宝くじはもうかなり昔から発売されていますよ。」
タカハシ「あぁ、この宝くじによる人類の洗脳の欠点は時間がかかることだ。普通、国の人間は常に即効的な支配を求めたがる。しかし、この国を影で動かす人間達は自分達の息子、孫の代まで永続的な支配をたくらんでいたのだろう。」
オオタ「と、いうことはもう宝くじの効果はすでに出ているということですか?」
タカハシ「あぁ、最近頻発するいじめや自殺、家庭内教室内暴力、新興宗教に走る人々…、最近は他人の気持ち、命の大切さが本能で理解できない人間が多すぎる。他の人間の価値のわからない人間は所詮、自分の価値もわからないんだ。」
オオタ「ま、まさか以前調査した古代死の商人達の陰謀では?」
タカハシ「あぁ、長年にわたって日本を裏で操ってきた彼らのことだ。可能性はある。しかし、これら事実を世間に訴えるにはまだ確たる証拠はない。仮説段階だと言われても仕方がない。しかも、このことは日本中の宝くじファンを敵に回すことになる。また…、また俺達には勝ち目のない戦いだ。」
オオタ「本来、守るべき人達を敵に回してしまうなんて…、一体どうしたら…」
タカハシ「しかし、それでも俺達は戦わねばならない。例え全世界を敵にまわすことになろうとも…」


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