モノーキ
第18回「現代生活に密着した機械から導かれる大破壊とは!?」


オオタ「タカハシさん。読者の方からこいういう手紙が来ているのですが?」

タカハシ「どれ、見せてくれ。」
 
S県 田畑さん(仮名)からのメール 

自販機で新語百円玉が出てきました。でも、その自販機ではその金は使えませんでした。
あまつさえ、全ての硬貨は使えませんでした。

これは何物の陰謀でしょうか?

カワタ「なんじゃこりゃ?新五百円玉が出てきて、硬貨が使えないのが陰謀なわけないだろ?つり銭切れだよ。そもそも「新語百円玉」ってなんだよ。字が間違ってるじゃないか。」

タカハシ「そうやって、なんでも直感で決めつけるのはお前の悪い癖だカワタ。今までどれだけ読者の力に助けてもらったか考えてみろ。一見なんでもないようなことから、思いもよらない真実が掴めたじゃないか。」
カワタ「けどよぉ…」

タカハシ「しかし、カワタの言うことにも一理ある。自分の身に起こったちょっとした事件、事故を全て何か自分の想像を大きく越えたものに求めようとする。そして、いきなり裏に陰謀があることに結びつけてしまう…。」
タカハシ「現代人の多くがこのような被害妄想や、複雑なはずの世界を一元管理する組織があるという、なんでも単純なものに完結したがる思想。このような浅学な知識から生まれる、浅はかな知恵。」
タカハシ「自然破壊、世界平和、人権問題…、今世界中の問題は単純なものではないし、簡単なものではない。それをなんでも理由付けをして単純化したがるのは現代人の悪い癖だ。」

オオタ「しかし、この事件が何かの前兆である可能性は否定できません。いずれにせよ調査を行うべき内容だと思います。」

タカハシ「すまないオオタの言う通りだ。田畑さんは悪いわけではないんだ。読者を信じることができなかったら我々もおしまいだ。」
タカハシ「とにかく全国の自動販売機に異常がないか調査を開始する。」

カワタ「お、つり銭発見!!」

オオタ「小学生じゃないんだから…」

カワタ「たしかに自動販売機で、新500円玉は使えないなぁ。」

オオタ「偽造防止で500円玉を新しくして、それに自動販売機が追いつかなくて結局全ての自動販売機が使えなくなったんじゃ意味がないですね」

タカハシ「あぁ、それを入れかえるのにも莫大な費用がかかる。さらに紙幣を扱う部品も2000円札ように変更しなければならない。そして、それらを制御するコンピューター…、この日本列島中にある、膨大な数の自動販売機すべてに変更をほどこすなんて正気の沙汰ではないな。」
タカハシ「いや、まてよ…。そうか、自動販売機はコンピュータ制御か…」
タカハシ「そ、そうか、そういうことだったんだ!!なんで今まで気がつかなかったんだ!!」

オオタ「なにかわかったんですか!!」

タカハシ「自動販売機はコンピュータ制御だ。つまり、自動販売機のあらゆる機能はコンピュータを制御することによって可能なんだ。」


タカハシ「つまり田畑さんの現象は鍵穴攻略法によって、自動販売機の機能障害が発生していたんだ!!」

カワタ「なんだそれは!?そもそも鍵穴攻略法ってなんだよ。」

タカハシ「いいか、自動販売機はコンピュータ制御だ。そして、あるものを投入すると、あるものが出てくる。日本特有のある娯楽用機械と非常に似ていると思わないか?」

カワタ「ま、まさか…」

タカハシ「そう…、自動販売機はパチンコとみなせるんだよ。」

オオタ「そんなことって…」

タカハシ「たしかににわかには信じられないかもしれない。しかし、所詮現在のマイコンが入った機械は、構造自体に大きな違いは無い。」

オオタ「たしかに…」

タカハシ「つまり、構造が似ている二つの機械があるのならば、パチンコの攻略法が自動販売機に通用したっておかしくないはずだ。」

オオタ「その鍵穴攻略法というのはなんですか?」

タカハシ「鍵穴式攻略法というのは、少し前にパチンコ業界で猛威を振るった攻略法で、リーチがかかったときに、鍵穴に人の手で触れることで人間の微小な静電気を発生させ、機械を狂わせ大当たりを出すという現代危機の盲点をついた攻略法だ。」

カワタ「そんな攻略法があったのか!?」

タカハシ「あぁ、この効果は強力だ。本来動きつづけなければ成らないペースメーカーが電磁波によって動きを止めるように、本来外れつづけなければならないパチンコに不正な電流を流すんだ。当たらないわけがない。」

オオタ「なるほど…」

タカハシ「しかし、この攻略法を同じ機械である自動販売機に用いたとき、自動販売機は本来「当たり」つまり商品が出つづけなければならないものだ。つまり鍵穴式攻略法を用いて不正な電流を流した場合、通常必ず出るはずの商品がでなくなるという事態が発生してしまったんだ。」

カワタ「それで、500円玉のおつりが出てきたときに、偶然自動販売機の鍵穴に触れてしまった田畑さんは、自動販売機で商品を買えなくなったのか。」

タカハシ「あぁ、そのとおりだ。」

……
 

オオタ「しかし、いくら似ているといっても、所詮は違う機械。パチンコの攻略法がそう簡単に自動販売機に通用してしまうものなんでしょうか?」

タカハシ「たしかにオオタの言う通りだ。しかし、形態共鳴現象によって、パチンコの攻略法が、自販売機に適用できるようになってしまったんだ。」

カワタ「どういうことだよタカハシ!?」

タカハシ「いいか、形態共鳴現象とは、101匹目の猿現象や、グリセリンの結晶化で有名な話だ。」

オオタ「群れの中である少数の個体がある新しい行為をはじめたとして、その行為を行う数がある数を越えたとき、その群れどころかそれより広い範囲にまでその行為が伝わってしまう現象ですね。」

カワタ「あぁ、猿が芋を洗い始めたら別の島の猿も洗うようになったという、有名な話か。だから、どうだっていうんだ?」

タカハシ「両者の特徴を考えてみろ。縦長の長方形をしていて、それらの種類もまちまち。だが基本的に同じ形状をしている。そして、コンピュータで制御され、コインや玉を投入すると商品が出てくる。そして、運が良ければくじに当たって儲けることができる。」

オオタ「たしかに似ていますね。」

タカハシ「そして、この事実が日本、いや世界を経済危機に陥れてしまうんだ!!
 

カワタ「なんだって!?」

オオタ「タカハシさん。いったいどういうことですか?」

タカハシ「いいか、考えても見ろ。パチンコと似た機械である自動販売機に、形態共鳴現象によりパチンコの攻略法があることがわかった。ということは、パチンコに似た他の機械にもパチンコの攻略法が使えると思わないか?」

カワタ「たしかに…。じゃぁ、いったい何の機械が危険なんだ!?」

オオタ「四角くて、マイコン制御されている機械ですよね…」

タカハシ「例えば、公衆電話だ。この機械に鍵穴式攻略法を用いられれば、簡単につり銭の引き出しや、無料通話が行われてしまう可能性がある。」

カワタ「そ、そしたら、NTTは大打撃じゃないか!!」

タカハシ「他にも、自動改札が素通りできるようになる可能性も考えられる。」

オオタ「そうなったら、JRなど各社の鉄道会社が事実上破綻して、日本の、いや世界の交通網は大変なことになってしまいますね。」

タカハシ「そう、そして先進諸国のインフラが事実上全滅してしまう可能性がある。」

カワタ「ま、まてよタカハシ。もしかしてパソコンもパチンコと同じ機械とみなすことができるんじゃないか?」

タカハシ「いいところに気がついた。たしかにパソコンもマイコン制御しているものという意味では同じ機械とみなせるかもしれない。そしてもしこの仮説が正しいのであれば…」


タカハシ「パチンコ攻略法の応用によって、コンピュータに誤動作をさせて、それを通じて世界中に大打撃を与える可能性があるんだ!!」

カワタ「そこまで深刻な事態なのかよ?」

オオタ「ですが、核兵器を制御しているのもコンピュータです。そして、そのスイッチはアメリカ大統領の側近がトランクにいれて常に持ち歩いているとか。」

カワタ「四角い、コンピュータ制御!!」

タカハシ「たしかに、そのトランクの鍵穴に触れてしまい核兵器誤発射されてしまい、第三次世界大戦というシナリオも考えられる。」

カワタ「そ、そんなかんたんに核が発射されてしまう恐れがあるのか!?」

タカハシ「そして、残念なことに、パチンコには新たな攻略法が提唱されている。『風水攻略法』だ。」

オオタ「あの的中率抜群といわれる風水を悪用して、全世界のコンピュータが混乱に陥れられるというのですか!?」

タカハシ「パチンコの形態共鳴現象が確認された以上。否定はできない。この現象が世界に広げきられる前に、なんとか防ぐ手はないのか…なんとか…」

オオタ「現在発達しきった科学は、もろくも風水という非科学的現象によって鎮圧されるのかもしれませんね…。」


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