モノーキ
ZOIDS

プロジェクトZ
〜小型ゾイド用兵器開発者の挑戦〜

Project:1

鹵獲ザバット小型ゾイド用試作高機動オプションユニット装備型強行偵察機

御託はいいから画像を見る

小型ゾイド用高機動オプションを開発していたマクスウェルは、
テスト用に送られてきたゾイドに失望した。
送られてきたゾイドは、帝国軍偵察用ゾイド「ザバット」だった。

先日、重要拠点に苦戦の末、攻略を成功した共和国軍にとって、
再整備が可能な共和国軍ゾイドを回す余裕はまったくない。
それが上層部の回答だった。

マクスウェルが開発したオプションユニットは、
当然、共和国軍用を想定して作られたものだったため、
帝国軍用ゾイドにつけるのはきわめて困難であった。
たとえ接続できても、いつ暴発するかわからない。
しかし、マクスウェルは決断した。
「上層部に掛け合うだけ時間の無駄だ。
なんとかこのゾイドの性能を把握し、
高機動ユニットをつけられるようにするしかない。」

マクスウェルは「ザバット」の分解を始めた。
パーツは可能な限り、共和国軍のものに置き換えた。
ほとんど動かない部品までも導入した。
「どう動くかわからない部品より、ポンコツの方がマシだ。」
カラーリングも帝国軍イメージの赤は極力消すようにした。
「機体を完成させても、味方に打ち落とされては意味がない」

こうして「ザバット」は共和国軍用機体として生まれ変わった。
本来無人機である「ザバット」のコクピットブロックも確保できたのが幸いした。
テスト飛行はマクスウェル本人が行った。
命がけの試運転であった。
「この中途半端な機体を把握している人間は俺しかいない。
この機体に乗って死ぬのは俺一人でいい。」

初のテストフライトのとき、
ゆらゆらと傾きながらも空を飛ぶ「ザバット」を見て、
仲間の技術者達は口々に笑いながらこう言った。
「マクスウェルの奇跡だ。」

しかし、マクスウェルにとってこれは始まりでしかなかった。
彼の本当の仕事はこの機体に高機動オプションユニットをつけることだった。

彼はまず「ザバット」の武装を取り外すことをはじめた。
「ザバット」の腹部にかかえられたホーミングボムは、一発しかない。
本来帝位国軍のものである「ザバット」のホーミングボムを、
共和国軍が量産を行うのは事実上不可能だった。
そのため、ザバットはほとんど丸腰になった。
しかし、パーツを共和国軍仕様にしたこと、
武装を解除したことによる空間の確保、
そのおかげで問題視されていたオプションユニットの装着は、
予想以上に順調に行うことが出来た。
しかし、この武装解除が思わぬ障害になるとは、このときマクスウェルは気づかなかった。

高機動ユニットを装備した「ザバット」の初めてのテストフライトのとき、
マクスウェルのことを笑う技術者はもう誰もいなかった。
一瞬のうちに視界から消えていく「ザバット」を見て、誰もが言葉を失った。
コクピットから降りて、仲間達からの祝福を受けながら、
「これなら、量産化も可能だ」
マクスウェルは確信した。

しかし、現実は非常だった。
「武装を外さなければ装備できない高機動ユニットは、量産する価値はない。」
これが、上層部の判断だった。
上層部は、もとよりこの部署で開発された兵器を量産する予定はなかったのである。

「「ザバット」を実践投入できるように整備せよ」
これが次の上層部の指令であった。
「この「ザバット」の戦果で、性能を証明するしかない」
マクスウェルは最後の賭けに出た。
実践投入用のため、ポンコツだったパーツは新品に取り替えることが出来た。
丸腰だった武装は、中型ゾイド用ビーム砲を取り付けることで解決した。
エネルギーは本来のザバットのエンジンからの供給で間に合わすことが出来た。
コクピット内部もすべて共和国軍仕様に換装した。
小型ゾイドにしては破格の破壊力であった。
こうして「ザバット」は戦線に投入されることになったのである。

続く



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