モノーキ
第13回「The Final Research COUNT.2『究明』」


三日後…

オオタ「人間関係データベースか…」
カワタ「ん?何かわかったのか?」
オオタ「ちょっと思ったんですけど、現在の若者は簡単に親しくなるけど深い付き合いはしない、浅い友情関係だといわれてますよね。それとこの人間関係データベースに何か関係があるんじゃないですか?」
タカハシ「なるほど…、たしかにその可能性はあるな。しかし多くの人間関係を一度に希薄にするというのは、現実的だとは思えない…。それに人間関係を希薄にするだけならば、人間関係データベースなんてなくたって無差別に実行すればいいんじゃないか?」
オオタ「言われてみれば…」
カワタ「じゃぁ、人間関係データベースを用いて何らかの条件に当てはまる人物を選定しようとしているってことか?」
タカハシ「あぁ、そういうことになるな。」
オオタ「えーっと、人間関係が希薄な人物をさらって何かをするとか。人間関係が希薄な人物ならさらっても発覚するまでの時間がかせげますから。」
カワタ「でも、それはあまり意味がないんじゃないか?」
タカハシ「そうだな。それに、なんらかの事情で年賀状を出さなかった親交の多い人物をさらったときのリスクが大きすぎる。」
オオタ「そうですねぇ…」
タカハシ「いや、まてよ…。そうか、そうだったのか!!」
カワタ「わかったのか、タカハシ!!」
タカハシ「あぁ、わかったぞ。人間関係データベースの真の使い道がな・・・。」
タカハシ「今まで人間関係をつかんで、それを希薄にしてしまう方法ばかり我々は考えていた。しかし、真の目的はむしろその逆だったんだ。」
カワタ「なんだって!!」

タカハシ「人間関係データベースを利用して、ウィルスの超高速拡散を狙っていたんだよ。」
オオタ「どういうことですか!?」
タカハシ「いいか、人間関係データベースの真の目的は人間関係を希薄にすることではなかったんだ。その逆に人間関係を深め、人と人の交流を活発にさせることが真の目的だったんだ。」
オオタ「そうだったのか…」
タカハシ「そして、人と人の交流が活発になったところで、感染力の強い病原菌を放てば全世界中にまたたくまに広がる…。通常の状態でも48時間あれば病原菌は世界へ広まると言われている。そして、人間関係データベースを利用し、人との交流が多い人物を中心に病原菌をばらまけば、その勢いは倍増し、24時間以内に世界中に広まるだろう。」
カワタ「なんてこった…」
オオタ「タカハシさん!!そのウィルスの正体はわかるんですか!?」
 
タカハシ「あぁ、インフルエンザだよ」

カワタ「イ、インフルエンザ〜!?そんなもの、例えばら撒かれたって、たいしたことないだろ!?」
タカハシ「いや、以前から気になってはいたんだが今日確信した。インフルエンザはもっと恐ろしい病原菌だったんだ。考えても見ろ、インフルエンザが流行しているとこの時期よく言われるが、インフルエンザの流行を調査しているという調査機関をお前達は聞いたことがあるか?」
オオタ「そういえば、聞いたことありませんねぇ…」
タカハシ「もし、インフルエンザに感染しているかきちんと調査するならば、しかるべき医療機関で一人あたり数千円のコストを払い、ようやく菌がいるか調べることができるんだ。ましてや本当に流行しているか確認するとなると、全国一体どれだけのコストがかかることになるのか…」
カワタ「けど、マスコミはインフルエンザが流行しているって、この二月ごろに連日報道しているじゃないか!!」
タカハシ「そう、それがインフルエンザの真の姿さ。」
タカハシ「インフルエンザの正体は妄想増長ウィルスだったんだよ!!」
タカハシ「たしかにこの時期インフルエンザが流行する。この時期にマスコミがインフルエンザにかかった場合、最初にそろそろインフルエンザが流行していると錯覚し、報道する。」
オオタ「そ、そして、その報道を聞いた一般人が次々とインフルエンザにかかっていると錯覚してしまうんですね。」
タカハシ「そうだ。たしかにインフルエンザの流行はこの時期発生する。しかし、それは発熱と悪寒がともなう重度の風邪が症状ではない。そのような症状になってしまうという思いこみが真のインフルエンザの病状だったんだ。」
カワタ「このウィルスが世界中にばらまかれた場合どうなってしまうんだ!!」
タカハシ「それは俺にもわからない。ただ、可能性としては…、妄想増長状態に陥った人間はマスコミなどの報道をうのみにし、それに盲信してしまう傾向にある。だから、世界中がインフルエンザにかかったその日、ある特定の人物、団体が私に従えと主張したら…」
オオタ「世界中の人間を意のままに操ることができるようになってしまうんですね!!」
タカハシ「あぁ…」
カワタ「なんてことだ。一刻も速く防ぐ手段を見つけないと!!」
タカハシ「残念だが…、俺達に残された時間はわずかしかない。」
オオタ「計画の実行日がわかったんですか!?」
タカハシ「あぁ、今までの情報を総合すればな…。」
タカハシ「まず、インフルエンザは十年から十一年周期で突然変異をおこすといわれている。昨年が前回の突然変異で十年目にあたり、とくに何事も起こらなかった。ということは突然変異は今年だ。これを利用しない手はないだろう。」
カワタ「そ、そうか…」
タカハシ「インフルエンザが猛威を振るうの季節は二月前後。しかし、今年の前半に太陽の黒点の影響で巨大な電磁波の嵐が襲い通信網が遮断されること懸念される。つまりマスコミを利用するにはその影響がでない速い時期しかない。」
オオタ「と、いうことは二月中?」
タカハシ「そして、全世界中で人との接触が最も多い日付けが二月には存在する。」
カワタ「そ、そんなまさか…」
タカハシ「そう、通常の恋人どうしだけではなく、義理という名目で通常よりも多くの人と接触する機会が増える日…、それがウィルスを送りこむXデー」
タカハシ「それは    


「2000年2月14日だ!!!!」

オオタ「そ、そんな…もう時間がほとんどありませんよ。」
カワタ「タカハシ!!なんとかならないのか!!防ぐ方法はないのか!!」
タカハシ「すまない…。インフルエンザウィルスは十年から十一年周期で急激な突然変異が起こることが知られている。そして、今年がその前回の突然変異から十一年後なんだ…。今から新種のウィルスを発見してワクチンを作る時間は…ない。」
オオタ「そうだ!!そうですよ。これが陰謀ならそれを実行しようとする団体が存在するはずです。その団体の正体を暴いて告発すれば、人類は助かるかもしれませんよ!!」
タカハシ「そうだ…、たしかにそうだ。だが、やつらの存在はわかってはいたが、今まで何度も挑戦して一度も正体の片鱗すら見せない団体」
カワタ「や、やつらか!!」
タカハシ「日本の政治、医療の中枢に食いこみ、人間の精神を操ることに長けた団体…、」
タカハシ「この陰謀は全て古代死の商人が企てたものだったんだよ!!」
オオタ「僕達は彼らの正体を今だつかんでいない………、しかし、やるしかないんですよね。この事実に気づいているのは僕達だけ、世界の危機を救えるのは僕達だけなんですから。」
カワタ「よし、なんとかしてやろうじゃないの。俺達が。」
タカハシ「頼む。俺達に残された時間はあとわずかだ。」
タカハシ「MMR The Final Researchを開始する!!」

COUNT.1『追跡』


戻る

モノーキ
SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送